虚血性心疾患 にし内科ハートクリニック(さくら市氏家の内科)は土曜日午前も診療

tel:028-682-8920 往診対応ご相談ください

交通案内(駐車場20台)
〒329-1311 栃木県さくら市氏家3390-5
028-682-8920

  • TOP
  • 虚血性心疾患

虚血性心疾患

狭心症や心筋梗塞といった病気を耳にしたことがあるでしょうか。心臓は非常に大きな筋肉の塊でできていて、全身に血液を送り出すと同時に心臓自体にも血液を受け取っています。狭心症や心筋梗塞は非常に怖い病気です。基本的な知識を身につけ、健康の維持に役立てるようにしましょう。

虚血性心疾患とは

虚血性心疾患とは虚血性心疾患というのは何か特定の病気をさす言葉ではなく、いくつかの病気をまとめて表す言葉として医療の世界で広く利用されています。

心臓にはその表面に冠状動脈(冠動脈)という血管が流れており、それを介して栄養を受け取っています。この冠状動脈という血管の血流が途絶え、心臓の筋肉が血液不足になってしまう病気全体を指して虚血性心疾患と呼んでいます。いくつか著名なものを紹介してみましょう。

狭心症

狭心症は冠動脈が動脈硬化や血管の痙攣などで狭くなることにより、心臓を栄養する血液が足りなくなるため起こる病気です。 動脈硬化で狭窄を生じている場合は、主に労作時に症状がでるため労作性狭心症といわれます。階段の昇り降りや草むしりなどの労作で心臓が安静時より活発に動くために多くの血液を心臓の筋肉が必要とします。冠動脈の狭窄があると心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなります。このため前胸部を締め付けるような症状が出現し、少し休息をとると軽快します。心臓の筋肉はまだ壊死していない段階です。安静時や軽い運動だけで症状がでてくるようになった場合は、不安定狭心症という急性心筋梗塞に移行しやすい状態のため特に注意しなければいけません。
冠状動脈が急に痙攣を起こしてしまうために血液の流れが悪くなる場合は、冠攣縮性狭心症といわれ運動に関係なく夜寝ているときや朝起きた時に発作が出現しやすいです。

急性心筋梗塞

心筋梗塞というのは冠状動脈が動脈硬化の破綻により血栓が形成され目詰まりしてしまい、心臓の筋肉が壊死を起こしてしまう病気です。心筋に壊死がおこると十分に血液を送り出すことができず、ポンプ失調のためショック状態になったり心不全をひきおこしたりします。また心筋壊死部が破裂をおこし、心タンポナーデという状態になったり、重篤な不整脈が出現することもあります。

虚血性心疾患の特徴的な症状

虚血性心疾患にはいくつかの特徴的な症状があります。
狭心症では鋭い痛みではなく、圧迫感や重苦しい感じ、前胸部が締め付けられる感じなどの症状です。多くは胸の真ん中を中心に広い範囲に症状を認めます。痛みは左肩や左腕、頸部に放散する場合もあります。
急性心筋梗塞では、典型的な症状としては持続的な胸部の圧迫感、前胸部が締め付けられる感じであり、ときに心窩部痛や胸骨後部の痛みと表現される持続的な胸痛を認めます。狭心症と異なり、症状の持続時間は長く、狭心症が数分間であるのに対して30分以上症状が持続します。また痛みの程度も狭心症と比べると強くなります。冷汗や吐き気などの症状を伴うこともあります。

基本的には数分続く胸の痛みを感じた時には狭心症を疑うことが非常に重要で す。決して痛みを放置したりせず、一度は医師に相談を仰ぎ、適切な診察を受けるように心がけておきましょう。

虚血性心疾患の治療法は

虚血性心疾患の治療には様々な手段があります。

薬物療法

狭心症発作時にはニトログリセリンの舌下またはスプレーを使用します。発作の予防の薬としては血管を拡張する薬や血栓の形成をおさえるアスピリンなどを用います。ある種の降圧剤やコレステロールを低下させる薬も併用します。
これらのお薬は血栓を作るのを妨げたり、心臓を休ませて心筋が酸素不足でも安定して働けるように手助けをしたり、心筋梗塞の後の心臓の回復を手助けする働きがあります。

カテーテル治療

冠動脈内にカテーテルとい細い管を使用して様々な器具を挿入することにより狭窄部位を直接広げる治療法です。手術に比べて体への負担がすくなく短時間で心臓の状態を大幅に改善することができる治療法です。

外科的な手術(冠動脈バイパス術)

狭窄部位が多数あるなどの重症例やカテーテル治療が困難な場合に行われます。血液を冠動脈からではなく、胸の内側を走行する動脈や足の静脈などを、冠動脈の狭窄している場所よりも先の冠動脈につなげることにより、狭窄部を迂回する形で血液を大動脈から送り届けるようになります。

自己診断や市販薬に頼る危険性

心臓の病気というのは病態が悪化してしまうとかなり病状が悪くなってしまい、ひどい場合には死に至ることもある非常に厄介な病気です。

狭心症のように胸の痛みを繰り返す病気であれば多くの患者さんが症状に気がつき治療を受けてもらえるのですが、急性心筋梗塞のように突然発症する致命的な疾患には常に注意が必要です。

定期的に健康診断や人間ドックを受け、体の状態に異常がないか確認してもらうことでこのような病気を未然に防ぐことができます。

市販されている薬では虚血性心疾患を治療するだけの効果があるものはありません。独断で体調を取り戻そうとするのではなく、必ず医師の治療を受けるようにしましょう。

治療後の日常生活で注意すべきこと

治療後の日常生活で常に注意しなければいけないのが、定期的な病院での検診と生活習慣の改善です。虚血性心疾患の大半は動脈硬化などの血管の異常が原因となって発症します。動脈硬化はその進展にさまざまな危険因子がかかわっています。代表的なものとして、脂質異常症、高血圧、糖尿病、喫煙、精神的ストレスなどがあげられます。これらの生活習慣を改善することにより、虚血性心疾患の発症予防が期待できます。食生活や運動の習慣を改善するのは非常に難しいものだと思いますが、医師や看護師がお手伝いをしながら生活習慣の改善をすることができます。独力で改善するのが難しいと思う時には医師に相談をするようにしましょう。
健康な生活をいつまでも送れるよう、適切な治療と適切な生活へのアドバイスをさせていただきます。