心不全 にし内科ハートクリニック(さくら市氏家の内科)は土曜日午前も診療

tel:028-682-8920 往診対応ご相談ください

交通案内(駐車場20台)
〒329-1311 栃木県さくら市氏家3390-5
028-682-8920

  • TOP
  • 心不全

心不全

心不全というのは心臓の収縮能力や拡張能力が低下するなどの原因により、心臓の機能が低下し、その結果体、肺や全身に必要な量の血液を送り出せなくなります。心不全の状態になると、臓器うっ血・呼吸困難・運動能力の低下が起きてきます。様々な疾患が原因で心不全が起こりうるので、十分に注意しなければいけません。

心不全とは

心不全は、心臓の筋肉に異常が起こったり、心臓内部の電気の流れに問題が起こったりすることで心臓が十分に機能しなくなってしまった病態です。
原因となる病気としては虚血性心疾患(心筋梗塞 狭心症)や高血圧、拡張型心筋症さらには心臓の弁の異常や先天性心疾患など様々です。

原因となる疾患

心臓に原因があるもの

  • 虚血性心疾患(心筋梗塞 狭心症)
  • 心臓弁膜症
  • 心筋症
  • 心筋炎
  • 不整脈
  • 先天性心疾患

心臓以外の原因があるもの

  • 高血圧
  • 貧血
  • 腎臓病
  • 薬剤
  • 甲状腺の異常
  • 過度のアルコール摂取

心不全の種類

左心不全と右心不全

心臓は、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋で構成されています。左心房・左心室からなる左心系の機能が悪くなったものを左心不全、右心房・右心室からなる右心系の機能が悪くなったものを右心不全といいます。それぞれであらわれる症状が違います。両方の部屋の機能が悪くなる両心不全になることもあります。

収縮不全と拡張不全

心臓の収縮能力が低下した状態によっておこる心不全を収縮不全といいます。
心臓は収縮とすばやい拡張をくりかえすことでポンプとして機能しています。
収縮能力は保たれているのに、すばやく拡張できなくなることでおこる心不全を拡張不全といいます。

急性心不全と慢性心不全

急激に心臓の働きが低下することでおこる心不全を急性心不全といいます。長期間にわたり心臓の働きが低下することでおこる心不全を慢性心不全といいます。慢性心不全から急に悪くなったものを慢性心不全の急性増悪といいます。

心不全の症状

心不全の症状としては特異的なものはありませんが、呼吸困難・息切れ・動悸・むくみ・体重増加など様々な症状を認めます。代表的な症状としては、左心不全症状として、十分に血液を送りだす能力が低下するため呼吸困難となり、右心不全症状として、血液のうっ滞によって下肢浮腫がおこります。

心不全の治療法は

心不全の治療法は基本的に薬を利用した治療が行われます。血液が肺に停滞し、肺水腫という状態になってしまうと呼吸が苦しくなり生活の質が著しく低下します。利尿薬という尿を作る働きを活発化させる薬を利用して体の中から水分を出したり、強心薬を利用して心筋の機能を高めることで症状の緩和を行います。
長期的な予後を改善するために血圧を上げるホルモンの分泌を妨げる薬(RAA系阻害薬)や交感神経を抑制する薬(β遮断薬)を利用した治療を行います。この他にも血管を広げるお薬を利用して治療を行うのが一般的な治療です。

原因疾患や病態によっては薬物以外の治療がおこなわれます。不整脈のデバイス治療(心臓再同期療法、植込み型除細動器、両室ペーシング機能付き植込み型除細動器など)、睡眠呼吸障害にたいしての治療、和温療法、補助人工心臓、手術療法等があります。

自己診断や市販薬に頼る危険性

心不全になった場合、軽度であれば初めは症状に気がつかないこともあり、自分で自分の状態を診断することは非常に難しいものです。心不全になってしまった場合には市販の薬で状態を改善することができず、自己診断や自力での治療というのは基本的にできないものだと思いましょう。
心臓の病気の中には突然心不全が発症し、急激に死に至るような病気もあるのでわずかな状態の悪化や、健康上の問題をしっかりと意識して対応しなければいけません。また、心不全の原因となる病気によってはすぐに治療を行うことで、心不全にまで至らずにすむことがありますし、仮に心不全になったとしても心不全に関連して起こる様々な合併症を防ぐことができます。

自己診断で治療が遅れてしまうと多くのデメリットを背負いこむことになるので、定期的に病院で検査を受け、健康状態を常にチェックしてもらうようにしましょう。

心不全の症状を緩和し、日常生活が送れるまで状態を改善する薬は医師しか処方できません。薬を利用した治療を受けると状態の改善が期待できますので、必ず医師に相談をしながら治療を受けていきましょう。

治療後の日常生活で注意すべきこと

心不全の治療を受けた後にはいくつか生活の上で気をつけなければいけないことがあります。

まず気をつけていただきたいのが塩分の摂取と水分の摂取です。水分や塩分を取り過ぎてしまうと、心臓に負担がかかってしまいます。また、心不全治療の薬を飲み忘れないように注意することもとても大切です。薬を飲み続けることで心臓にかかる負担が緩和され、弱ってしまった心臓への負担を軽減できます。

体の調子が悪い時には無理せず休息を取るように心がけ、体重の管理をすることが重要です。 心不全が進行すると体から尿として水分が排泄されなくなってしまうので、体にむくみがでたり、たまった水分のために体重が増加してしまいます。

体の状態に常に注意して、生活をしていくと心不全の状態の悪化に気がつくようになります。医師の指導の元、健康に注意しながら生活を送りましょう。